白血病!骨髄性とリンパ性の違いとは?
白血病の骨髄性とリンパ性は、どのように違うのでしょうか。
白血病とは、血液細胞が成熟する過程において正常な分化・増殖に異常をきたし、未熟な細胞や機能を有さない成熟細胞が異常増殖するために、正常な血液細胞の機能が失われる病態をいいます。
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白血病は、大きく急性白血病と慢性白血病に分類され、ぞれぞれが骨髄性とリンパ性に分けられます。
血液細胞は一種類の造血幹細胞から作られ、最終的に数種類の血液細胞となるのですが、一段階目の分化で骨髄系幹細胞とリンパ系幹細胞のいずれかに分化します。
骨髄系幹細胞となった幹細胞は、次の段階で数種類へ分かれ、成熟過程を経て、最終的には赤血球、好中球、血小板、単球と呼ばれる細胞となります。
リンパ系幹細胞も同様に、さらなる分化・成熟過程を経て、最終的に数種類のリンパ球となります。
このように血液細胞の分化・成熟過程には数段階ありますが、骨髄性とリンパ性の違いは、異常が認められた細胞(異常増殖している細胞)が、一段階目の分化のどちらの分化に属しているかにより判断されます。
血液像(血液を顕微鏡で観察したもの)にも違いが認められます。
急性の場合には、分化・成熟過程のある一定の段階で停止してしまうために、それ以降の成熟細胞は増えず、それ以前の未分化細胞が増殖しています。
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一方、慢性では、一段階目から成熟の最終過程までが無秩序に行われるために、各分化段階の未分化細胞や成熟細胞が異常増殖しています。
また、臨床経過にも大きな違いがあり、病名のとおり、急性では無治療の場合には、数ヶ月で致死的な状態にまで急速に進行するのに対し、慢性では長期間無症状であることもあり、年単位で徐々に進行していきます。
骨髄性でもリンパ性でも急性、慢性の病態が起こります。
分化過程の位置には、M0〜M7、L1〜L3など名前が付いており、診断名にはこの異常個所を示す場合もあります。
例えば、急性骨髄性白血病(M5)と診断名がつくと、Mは骨髄性を示し、Lはリンパ性を示していますので、骨髄系の分化過程の5段階目に異常を来たしている白血病ということになります。
治療法は、この異常をきたしている分化位置によってそれぞれ異なった方針となり、その治療効果や予後などもそれぞれ異なってきます。
ですので、正確な病理診断が治療する上で重要となっています。
次はこちらの記事です。
白血病が疑われる時の血液検査項目について
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