白血病が疑われる時の血液検査項目について
白血病が疑われる時の血液検査では、どのような項目があるのでしょうか。
白血病は、造血系細胞が腫瘍化することで発症するようになります。
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造血細胞が産生される骨髄で、正常血液細胞の産生ができなくなって、様々な症状と血液検査所見上の異常が起こります。
通常、造血系細胞の腫瘍化に伴い、腫瘍細胞が末梢血中に見られるようになり、血液検査所見上、血液像で芽球が観察されるようになります。
また、骨髄での腫瘍細胞の増加のため、正常造血が著しく障害されて赤血球や血小板の造血が正常に行えなくなり、高度の貧血や血小板減少がみられるようになります。
これらは、血液検査の項目上、白血球数の増加(または低下)、赤血球数、ヘモグロビン値、血小板数の著しい低下として認識されるようになります。
同様の検査所見を呈する疾患は他の疾患にもみられますが、通常一時的な経過で改善することはなく、次第に増悪、進行していきます。
通常白血病が疑われる場合、診断のため骨髄穿刺が行われ、骨髄中の白血病細胞の増加を確認して診断に至ります。
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生化学検査項目では、腫瘍化した細胞が壊れることで様々な異常値を呈することが知られています。
肝障害の評価項目として知られるAST, LDHは逸脱酵素としても知られ、白血病の場合高値となる傾向があります。
また、核酸合成が盛んな腫瘍細胞が崩壊することで尿酸、血清K、Pが高値となり、急速に腎障害が進み腎不全に至ります。
腎不全に至ることで、BUN, Crなどの腎機能評価項目が高値となる傾向があります。
一部の白血病では、著しい血液凝固異常を呈し、PT、APTT、フィブリノゲン、ATIII、FDP、Dダイマーなどの項目に異常が見られる播種性血管内凝固症候群(DIC)を呈することがあります。
このようにして、血液検査、血液像の評価が行われ白血病が疑われます。
次に、診断のため、骨髄が評価され診断に至りますが、このような場合、通常腫瘍細胞の染色体検査、腫瘍細胞に特異的に見られるキメラ遺伝子異常のスクリーニングが行われ、さらに詳細な診断とリスク分類が行われ、最適な治療法が選択されます。
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