白血病の治療中には肺炎に要注意?
白血病を治療している時には、肺炎に気を付けなければいけないのでしょうか。
現在の急性骨髄性白血病の治療は、骨髄の中の白血病細胞を死滅させて正常な血液細胞を増やすという方法で行なわれています。
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そのための抗がん剤を使った化学療法は、寛解導入療法、字固め療法の順で行なわれるようになります。
寛解導入療法
白血病での治療効果を判断するものとして、「寛解」という概念があります。
骨髄中の白血病細胞が5%以下になった状態を寛解とされています。
抗がん剤での治療では、白血病細胞も死滅するのですが、正常な白血球をも死んでしまいます。
ただ、正常な白血球は再生するスピードが早いので、治療によって白血病細胞と正常な白血球が減少しても、時間の経過と共に正常な白血球が増えていくことが期待できます。
しかしながら、正常な白血球が減少することで免疫力が極端に低下して、ちょっとした細菌でも感染してしまうようになります。
このため、感染によって肺炎などになりやすくその結果、全身の機能が低下し臓器が正常に働かなくなることもあり、最悪命を落としてしまうこともあるのです。
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肺炎は日本人の病気での死亡原因の第3位になっていますが、他疾患での治療中に免疫力の低下で発症してしまって亡くなることも多いのです。
また、抗がん剤の副作用で嘔吐や下痢、脱毛、貧血などの症状がでることも多くなっています。
字固め療法
寛解導入療法によって寛解状態になったら、字固め療法を行なうようになります。
これは、5%以下になった白血病細胞を根絶させ、白血病の再発を防ぐために行なうものです。
この字固め療法でも強力な抗がん剤が使用されるため、副作用や合併症が現れるようになります。
このため、肺炎等の感染症には充分に注意しなくてはいけなくなります。
血液細胞が少なくなった場合には、輸血によって赤血球や血症板を補うこともあります。
字固め療法によって、寛解状態が保たれた場合には、その状態によって経過観察や造血幹細胞移植を行なうようになります。
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